前鋸筋への介入はスポーツ選手や肩関節疾患がある患者さんでは実施されること多いと思います。例えば、スポーツ選手(オーバーヘッドスポーツ)であれば、肩甲骨の安定性を改善するために実施されるかもしれません。
また、肩関節周囲炎で腱板機能が低下している場合やPainful arcが認められるような患者さんでは、肩甲骨の動きを引き出すために前鋸筋への介入が選択されるかもしれません。
僧帽筋と前鋸筋のバランスを改善させ、協調的な肩甲骨の動きを引き出し、肩関節可動域の改善や腱板筋の収縮効率を高めるために前鋸筋への介入が実施される場合もあると思います。
他にも理由はあると思いますが、肩甲骨の安定性、腱板筋の収縮効率の改善、肩甲骨の協調的な運動を引き出す、といった理由で前鋸筋に介入する場面は多いと思います。
では、みなさんは前鋸筋へどのように介入していますか?”すぐに介入を実施しますか?”。それとも、”別の介入を実施してから、前鋸筋への介入を実施していますか?”。ちなみに、私は圧倒的に後者です。
それは、別の介入を実施してから、前鋸筋へ介入した方が効率が良くなると考えているためです。では、前鋸筋のトレーニング効率を上げるには、どうしたらよいのでしょうか?
前鋸筋への介入の効率を上げるには、前鋸筋の解剖と作用に着目することが大切になります!
1.前鋸筋の解剖
前鋸筋は第1~第9肋骨から起始し、肩甲骨内側縁に付着する記載されています。ですが、前鋸筋は1つの筋肉とし考えるのではなく、上部線維と下部線維に分けて考える必要があります。
前鋸筋の上部線維は肩甲骨の下方回旋と前傾、下部線維は肩甲骨の上方回旋と後傾の作用を持っており、相反する作用になります。
また、
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