足部は地面と唯一接触している身体の部位で、骨や靱帯、筋肉など多くの組織が存在しています。足部に多くの役割があり、衝撃吸収やエネルギーの蓄積、感覚器として身体制御などに関与しています。そのため、足部に障害が生じると身体に与える悪影響は大きいです。
足部の障害として、代表的な「扁平足」の有病率は多いものだと、約26%と報告されており、4人に1人の割合で扁平足を有していることになります。
足部に障害が生じると、身体への負荷増大(衝撃吸収機能低下)、バランス機能の低下(足底感覚低下)、歩行エネルギーの増大(アーチ機能低下)などに繋がる可能性があります。
また、扁平足の様な足部障害は外反母趾や足底腱膜への関与、膝関節などの他関節への負荷の増大、腰痛などを引き起こす可能性が示唆されています。
この様に、足部の障害は限局した影響だけではなく、全身に影響を与えるため、足部の状態を評価することは重要になります。
足部評価が重要と記載しましたが、「FPI-6」「navicular drop test」「Leg-heel alignment」「too many toe sign」など、足部の評価方法はいろいろあります!
また、画像所見(レントゲン)として、代表的なものをあげると「Meary角」「calcaneal pitch」「talonavicular coverage angle」があります。
足部評価は多く存在するので、すべての評価方法を用いて、足部の状態を把握しようとすると、1単位が終わってしまいます。そこで、私が臨床で一番使用している「FPI-6」を中心に記載していきます!
1.FPI-6とは?
Foot Posture Index(以下、FPI-6)は特別な器具を必要とせず、視診と触診で安静立位時の足部の回内外位を評価できる指標です。優れた内部構造の妥当性、優れた評価者内信頼性と評価者間信頼性があり、さまざまな臨床および研究で使用されています。
測定姿位は安静立位として、以下の6項目を評価します。
1.距骨頭の触診
2.外果上下のカーブの観察
3.踵骨内外反位の観察
4.距舟関節部の膨隆の観察
5.内側縦アーチの観察
6.後足部に対する前足部内外転位の観察
1-1.距骨頭の触診
触診にて距骨頭の内外側を触診します。外側がよく触知できれば「マイナス」、内側がよく触知できれば「プラス」となります。
1-2.外果上下のカーブの観察
正常足では外果の上と下のカーブの曲がりはほぼ等しいです。下部のカーブ大きければ「プラス」、上部のカーブが大きければ「マイナス」です。
1-3.踵骨内外反位の観察
正常足では、踵骨のラインは垂直です。踵骨のラインが外側に傾斜していたら「プラス」、内側に傾斜していたら「マイナス」です。
1-4.距舟関節部の膨隆の観察
正常足であれば、距舟関節は平らです。距舟関節が凸の形状の場合「プラス」、凹の形状の場合「マイナス」です。
1-5.内側縦アーチの観察
内側縦アーチが低下している場合は「プラス」、上昇している場合は「マイナス」です。
1-6.後足部に対する前足部内外転位の観察
正常足の場合、母趾・小趾は均等に見えます。小趾が母趾よりも見える場合は「プラス」、母趾が小趾よりも見える場合は「マイナス」です。
各項目は 5 段階(-2,-1,0,+ 1,+ 2)で採点し、最低点-12 は足部過回外を、最高点+ 12 は足部過回内を表します。
0~5点が正常足
6~9点が回内足、10以上は過回内足
-1~-4点が回外足、-5点以上は過回外足
2.FPI-6の基準値
FPI-6の正常値(基準値)は
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