肩関節後外側部痛 ~肩甲上神経を見逃すな!腋窩神経だけ考えていても症状が改善しない理由~

 

 

みなさんにも経験はありませんか?
・肩関節挙上最終可動域で後外側部に疼痛が出現する
・1st外旋の介入中に肩関節後面に痛みが出現する
・結帯動作、後方へのリーチ動作で肩関節後面に疼痛が出現する
などの症状が出現した際、皆さんはどのように評価をして、介入を進めていきますか?

 

 

肩関節後外側部痛と言えば、「腋窩神経」の影響を考えることが多いと思います。腋窩神経はC56の神経根から分枝し、腋窩部を走行し、QLSへと向かいます。QLSで前枝・後枝に枝分かれし、三角筋や小円筋、肩関節外側の感覚を支配します。

 

 

しかし、肩関節挙上・1st外旋・結滞で生じる、肩関節後外側部痛は腋窩神経の影響だけを考えて介入しても、必ずしも症状が改善するわけではありません。

 

 

そこで考えるのは「肩甲上神経」になります。肩甲上神経は肩関節の筋肉の支配だけでなく、肩関節周辺の感覚を幅広く支配すると述べられています。

 

 

今回の記事では、肩甲上神経にスポットを当て、どのような問題が生じると肩甲上神経の症状を引き出すのかを考えていきたいと思います!

 

 

1.肩甲上神経の解剖

 

肩甲上神経は第56頚髄神経に由来する運動線維と感覚線維で構成されています。場合によっては、第4頸髄神経の線維も寄与します。肩甲上神経の走行は腕神経叢の上部幹から分岐し、肩甲上切痕に入り、棘上筋の深層を走行します。神経は棘下切痕を通過し、棘下窩に入ります。

 

 

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