medial meniscus extrusion(MME)という言葉はご存じでしょうか?
MMEはMMEは、脛骨高原および脛骨関節軟骨からの半月板の部分的または全体的な内側変位として定義されます。最近、変形性膝関節症との関係に着目されています。
MMEは内側半月板後根断裂に続発して生じ、”変形性膝関節症のリスクや膝関節の疼痛に関与する”と考えられています。
今回の記事では、基礎的な半月板の解剖・機能から、MMEの原因や影響、セラピストが出来る介入方法を検討していきたいと思います!まずは基礎的な半月板の解剖と機能について記載していきます。
1.半月板の解剖
内側半月板(MM)は内側側副靱帯や半膜様筋、後斜靱帯と連続しており、内側側副靱帯や後斜靱帯はMMの安定性に寄与し、半膜様筋はMMの動きに関与していると考えられてます。
半月板の形状を見てみると、MMはC型の形を呈しており、外側半月板はO型の形を呈しています。MMの前根と後根の付着部が離れており、外側半月板と比較し、動きは少なく、後根の動きが最も少ないです。
2.半月板の役割
半月板には多くの役割があり、荷重伝達、衝撃吸収、膝関節の安定性、大腿骨と脛骨の接触面積の増大などがあります。
半月板には膝関節に生じる圧縮力、引張力、剪断力の一部を「hoop応力」に変換し、膝関節の軟骨表面に生じる負荷を均一に分散させる機能があります。この機能が膝関節の安定性、負荷の軽減に重要な役割があります。
しかし、MMEがあると半月板の役割は破綻し、膝関節に生じる負荷が増大することは容易に想像できます。MMEの原因である内側半月板後根断裂は人工膝関節全置換術(TKA)を受けた患者の78%にを認めたと報告されています。
つまり、MMEや内側半月板後根断裂は膝関節の機能を悪化させ、変形性膝関節症に寄与するため、膝に問題がある場合は必ず評価するべきポイントになります。
では、MMEはどのようにして生じるのでしょうか?
3.MMEはどのようにして生じるのか?