シンスプリント(以下:MTSS)はランナー(長距離・短距離)に多く生じる疾患です。MTSSの特徴としては、脛骨内側部近位1/2~遠位1/3にかけて疼痛を訴えることが多いです。また、走ったり、ジャンプしたりすると同部位に疼痛が出現し、悪化すると疲労骨折に繋がることもあります。
シンスプリントのその他の特徴として
・女性に多い(中高生で多く発症)
・初期では運動開始時のみに痛みがある
・脛骨近位1/2~遠位1/3に疼痛、圧痛がある
・重度化すると安静にしていても疼痛がある(歩けない)
上記のような特徴があります。
このシンスプリントを引き起こす要因として考えられているものは多く存在しています。長距離を走る、履物(長年使用している)、ダンサーなどの職業、扁平足を有しているなどが個人因子・環境因子が寄与しています。
このように要因が複合的に絡み合って、下腿筋群(後脛骨筋やヒラメ筋、長趾屈筋)に過剰なストレスが加わるとシンスプリントが発症すると考えられています。
私は学生時代「シンスプリントは後脛骨筋が原因である」と教わり、しばらく後脛骨筋がMTSSの根本的な問題であると考えていました。ですが、今回の記事では、長趾屈筋に着目してシンスプリントを考えていきます!
「なぜ?長趾屈筋なのか?」と疑問に思われる方も多いかもしれませんが、シンスプリントで痛みが頻出部位をエコーで確認すると、長趾屈筋がほぼ全例で存在しているためです。そのため、私はシンスプリントは長趾屈筋が重要と考えているからです!