肩甲下筋は肩関節の腱板筋群の1つであり、唯一の内旋筋です。肩甲下筋の機能には肩関節内旋以外に肩関節前方の安定性、Depressor機能(上腕骨頭の下方への引き下げ)、上腕二頭筋長頭腱の安定性があります。
肩甲下筋(舌部)はpullry systemの一部であり、上腕二頭筋長頭腱の通路を構成し、安定性に関与しています。そのため、肩甲下筋が損傷すると上腕二頭筋長頭腱の不安定性に繋がります。
下のエコー画像は「上腕二頭筋長頭腱炎」の診断名がついている患者さんのものになります。肩甲下筋の付着部に炎症所見と輝度変化が認められ、上腕二頭筋腱長頭の炎症所見、腫脹がセットで出現していることがわかります。
このように肩甲下筋の断裂・損傷は肩関節の内旋筋力や安定性の低下だけでなく、上腕二頭筋長頭腱へのストレス増大や疼痛にも関与し、肩関節への機能に大きな影響を与えることがわかります。そのため、肩関節疾患の患者さんを担当するにあたり、肩甲下筋の機能を評価は必須と考えてもよいと思います。
そこで、今回の記事では、私が臨床でよく用いる3つのテスト(Lift-off test、Belly press test、Bear Hug Test)について、臨床上のポイントを紹介していきます!!!
1.肩甲下筋の3つテスト
Lift-off test、Belly press test、Bear Hug Testは同じ肩甲下筋の機能を評価するテストです。では、テストが陽性-陰性はどれも同じ解釈でも大丈夫なのでしょうか?また、それぞれのテストは代用できるのでしょうか?
3つのテストの肩甲下筋の活性化は殆ど一緒と報告されています。しかし、感度・特異度はそれぞれのテストによって異なります。また、関節可動域が制限されている場合、使用できないテストもあるので、それぞれのポイントをしっかりと理解し使用する必要があります。
2.Lift-off test
私が最もよく使うTestの内の一つです!!!
肢位:結帯肢位(伸展・内転・内旋)、手背部を背中につけた状態とします。
方法:手背部を背中から持ち上げます。
判定:疼痛が出現した場合を陽性
精度:感度33%、特異度94%
lift-off testの特徴として、
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