肩関節周囲炎で肩甲下筋に短縮・スパズムが生じる理由

 

 

肩甲下筋は、棘上筋、棘下筋、小円筋とともに肩甲上腕関節の動的安定性の礎であり、肩関節の正常な動きとって極めて重要な筋肉です。

 

 


特に肩甲下筋は腱板筋群の中で唯一の内旋筋であり、棘上筋・棘下筋・小円筋の3つの外旋筋と均衡を保ちながら、肩関節の運動が遂行されます。つまり、肩甲下筋の内旋作用はかなり重要な機能と言えます。

 

 

 

また、肩甲下筋には肩関節内旋作用以外にいろいろな役割が存在しています。そこで、今回は肩甲下筋の肩関節内旋作用以外に存在する3つの重要な役割を学び、肩甲下筋の役割から「なぜ?肩甲下筋に短縮やスパズムが生じるのか?」を考えていきたいと思います!

 

 

 

1.肩甲下筋の解剖

 

肩甲下筋は肩甲下窩から起始し、小結節に付着します。肩甲下筋にはいくつかの腱が存在しており、多羽状構造を呈しています。

 

 

 

もう少し、大切なことを記載すると肩甲下筋は小結節だけに付着する割合は少なく、ほとんどは上腕二頭筋の表層、もしくは深層を通過し、大結節まで付着しています。これが、肩甲下筋の「舌部」と呼ばれている部位です。

 

 

 

舌部は上腕二頭筋長頭腱を支持する役割があり、結節間溝周囲では他の組織と密接に関係しています。上腕二頭筋に腫脹がある場合、殆どの割合で舌部が損傷しているとも考えられています。

 

 

話は解剖に戻り、肩甲下筋は棘上筋や棘下筋、小円筋と同じく2つの部位に分けられて考えられています。それぞれ神経支配や作用が異なると報告されています。

 

 

 

では、上部・下部線維にはどのような役割があるのでしょうか?

 

 

2.肩甲下筋の役割

 

基本的に上部・下部線維ともに内旋の作用は変わりませんが、上部線維の方が内旋の活動が大きいと報告されています。また、

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