腰痛は一般的な筋骨格系疾患であり、私の勤めているクリニックでも、3割程度は腰痛で来院される方が占めています。また、腰痛に併存する症状として、下肢への関連痛(患者の約60%とも述べられています)があります。 下肢への関連痛は坐骨神経の走行に沿って出現することが多いため、坐骨神経痛と呼ばれることが多いです。坐骨...
股関節の記事一覧
股関節外転筋の筋力低下は通常、中殿筋の筋力低下と考えられることが多いです。中臀筋が股関節外転筋の中で最大の体積と生理学的断面積を持っているという点では相違は無いと思います。 大殿筋も外転作用がありますが、主たる作用は股関節伸展になりますので、今回の記事では「股関節外転筋の筋力低下=中殿筋の筋力低下」と解釈して...
変形性股関節症(以下:股OA)は股関節の重大な疼痛や障害を生じさせる原因となる疾患です。45歳以上の4~9%が症候性の股OA(症状が存在するOAのこと)を抱えていると考えられています。 症候性の股OAでは、症状を管理するために保存療法や投薬などが用いられます。しかし、保存的介入でも症状が緩和、軽減しない末期...
小殿筋は大殿筋や中殿筋の深層に存在し、関節包に隣接しているため、股関節の安定性に重要と考えられています。また、股関節の外転運動だけでなく、関節包の動きを引き出す役割もあると考えられており、小殿筋には多彩な役割が存在する可能性があります。 今回の記事では、”小殿筋”にスポットライトを当てて、機能解剖や歩行時の役割...
小殿筋は大殿筋や中殿筋の深層に存在し、関節包に隣接しているため、股関節の安定性に重要と考えられています。また、股関節の外転運動だけでなく、関節包の動きを引き出す役割もあると考えられており、小殿筋には多彩な役割が存在する可能性があります。 今回の記事では、”小殿筋”にスポットライトを当てて、機能解剖や歩行時の役割...
中殿筋は変形股関節症、膝関節症の筋力改善や歩行安定性の獲得、バランス機能を再獲得、スポーツ外傷の発生予防のため、評価-介入されることが多い筋肉です。 中殿筋のトレーニング方法として、よく用いられているのが股関節外転です。では、股関節外転は中殿筋の介入方法として適した方法なのでしょうか?他に良い方法はあるのかを考...
トレンデレンブルグテストは皆さんご存じですが? このテストは股関節の先天性脱臼の結果として生じる、臀筋の静的機能不全を評価するテストになります。 トレンデレンブルグテストにはいくつかのバリエーションがあり、現在は変形性股関節症と股関節外転筋群の衰弱をスクリーニングするために使用されています。 一般...
皆さん、股関節前方のつまり感といえば何を思い浮かべますか? おそらく皆さん「股関節インピンジメント症候群(FAI)」を思い浮かべると思います。 FAIは「大腿骨および寛骨の骨形態異常によって股関節動作時に衝突が生じる病態」と定義されています。FAIにはCam、Pincer、複合型の3つのタイプが存在し、骨形態が...
大腿筋膜張筋(以下:TFL)と腸脛靭帯(以下:ITB)は臨床において、よく着目される、組織だと思います。よく悪者扱いされる組織ですが、本当にTFLやITBに問題が生じているのでしょうか? 例えば、THA術後などではTFLがパツパツに張って、痛みを訴える方も多くいます。あれは、本当にTFL自体が問題となっている...