高齢化と肥満の人口増加に伴い、変形性膝関節症(以下:膝OA)を経験する人がますます多くなり、全世界における65歳以上の40%が膝OAと考えられています。
膝OAでは膝関節の変形、疼痛、腫脹、機能不全など多くの症状を示し、その症状の出現に伴い、活動量の低下、歩行能力が低下し、人々の生活の質が大きく低下してしまいます。
深刻な問題を解決するために、膝OAのメカニズムの研究が継続的に行われており、多関節の影響を受ける疾患である膝OAは、隣接する関節の生体力学的変化と関連していることがわかっています。なかでも、足部からの変化は膝OAに寄与する潜在的な決定要因と考えられています。
そこで、今回の記事では膝OAと足部の関係性について考えていきたいと思います!
1.膝OAの足部状態
膝OAでは足部が回内傾向にもなりますし、回外傾向にもなります。
膝OAで回内、回外どちらも生じる理由として、私は”足部での代償が生じているのか?代償が生じていないのか?の差”と考えています。まずは、膝OAと足部回内の関係性について考えていきます!
1-1.膝OAと足部回内
膝OAでは、足部が回内していると報告しているものが多い印象があります。臨床でも、足部が回内している症例をよく経験します。論文では足部回内の評価はFPI-6や足底圧で評価している報告が多く、私も臨床ではFPI-6を用いて、足部回内の程度を評価することが多いです。
FPI-6で足部が回内変化している場合や足底圧が内側へ変化している場合、膝OAに伴う健康状態や疼痛、機能低下に関係していると報告されています。
また、足部回内の非対称性も確認するようします。非対称性とは、FPI-6で左右差が2以上の開きがある場合と論文では述べられています。膝OAでは足部の非対称の割合が健常者よりも高いと報告されています。
足部がより非対称であるほど、より重度の膝OAに関連していると述べられています。これは、膝OAの重度化に伴い、足部の代償が大きくなるためではないかと考えています。
膝OAで回内足が存在すると膝OAの症状や重症度に関係することがわかりました。では、どうして?足部の回内代償が生じるのでしょうか?
足部回内代償が生じる理由はまず
会員専用となっています。会員の方は こちらからログインしてください。. 新規会員登録はこちらへお進みください。