腱板修復術後に気を付ける点 ~運動と日常生活動作~

 

 

腱板断裂術後リハビリテーションの目標には、術部の安静を保ち、修復された腱にかかるストレスを最小限に抑えつつ、腱の最適な治癒を促す必要があります。

 

 

 

しかし、安静保持を長期間続けると術後合併症として「術部の癒着や周辺組織の短縮(硬さの上昇)」が生じます。これは、腱板修復術後に最も多い合併症と報告されています。

 

 

 

そのため、「術部の癒着や周辺組織の短縮」を予防する介入が必要になります。腱板修復術後のプロトコルにおいて、特定のエクササイズが推奨されていることはありませんが、術後早期の腱板筋群への介入は愛護的に実施するべきと考えられています。

 

 

 

可動域(ROM)、筋力、疼痛緩和を目的に早期から運動を実施することは重要になります。しかし、術後に腱板筋群の早期または過度の活性化が再断裂の原因となることが示唆されています。

 

 

 

これら2つの要素を考慮すると、術後数週間におけるセラピストの主な目標は、肩関節周辺組織が硬くならない安静の指導、なおかつ腱板筋群への過剰な負担を生じさせずにROMの改善、腱板の治癒を促進することと考えられます。

 

 

 

では?どのような運動が腱板修復術後に負担が多い運動なのでしょうか?

 

 

1.腱板修復術後に気を付けるべき運動

 

一般的にはCodmanの振り子運動やセラピストが他動的に実施する、肩関節外旋や屈曲運動は負荷が少ないとされています。しかし、”Codmanの振り子運動は方法を間違えると、腱板断裂に繋がる恐れがある運動”になります。

 

振り子運動を直径20㎝と51㎝の円の図を用いて、実施した際の筋活動を測定したところ、大きな直径で振り子運動を実施した場合、棘上筋と棘下筋の筋活動が増大したと報告されています。さらに、大きな振り子運動による筋活動の増大は、腱板再断裂に繋がる可能性があると報告されています。

 

 

そのため、振り子運動を実施する際には患者の指導(全身の使い方)や方法を丁寧に実施する必要があります。

 

 

腱板筋群を中心に使用したCodman体操と体幹も含めたCodman体操の差

 

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