Rotator cableの機能 ~肩が挙がるか上がらないかはここで決まる?~

 

 

皆さんは「rotator cable」はご存じですか?

 

棘上筋と棘下筋の遠位付着部には一貫してcrescent(三日月)の構造が認められ、無血管領域が存在します。crescentの縁には、前方および後方に弓なりの太い線維束が認められ、これが「rotator cable」と呼ばれています。

 

 

rotator cable」には重要な役割が存在すると考えられており、「肩関節が挙がるか上がらないかはここで決まる?」とあるように、肩関節の機能を考えるうえで重要なポイントになります!

 

 

1.Rotator cableの解剖

 

rotator cableの解剖学的用語は"ligamentum semicirculare humeri"であり、直訳すると”上腕骨半円靱帯”となります。rotator cableは棘上筋腱と棘下筋腱の下面をそれらの繊維に垂直に沿って走り、烏口上腕靭帯に連続する線維状のバンドです。

 

 

 

rotator cableの付着部は上腕骨付着部は前方に2つ、後方に1つ存在します。rotator cableの小結節付着部は肩甲下筋と連続し、大結節付着部は棘上筋の付着部でもあります。後方付着部は棘上筋、棘下筋、小円筋からの線維が挿入されており、複雑な構造になっています。

 

 

 

 

このように、rotator cableは棘上筋、肩甲下筋、棘下筋、小円筋と連続するため、それぞれの腱板筋の張力を伝達し合う可能性を考えることが出来ます。

 

 

2.Rotator cableの機能

 

rotator cableは腱板筋群と連続しており、腱板に対して吊り橋様の効果(圧縮応力と引張応力を吸収)があると考えられています。

 

 

 

rotator cableのイメージとしては「吊り橋」を思い浮かべて頂けるといいと思います!ケーブルは棘上筋腱と棘下筋腱によって生じる圧縮力と牽引力を吸収します。

 

 

 

圧縮力はケーブルの前方および後方の骨付着部に伝達され、力が分散されます。牽引力はケーブル自体で吸収されます。そのため、腱板断裂が生じても、rotator cableの完全性が保たれている場合

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